第14回 タンホイザー
みなさん、こんにちは!
2021年になって最初のブログとなりました♪
今日取り上げるオペラは、ワーグナーが作曲した『タンホイザー』です。
ワーグナーといえば、台本も自ら書いていることで有名ですが、もちろんこのオペラもワーグナーが台本を書き上げました。
『タンホイザー』は、13世紀に実在したタンホイザーを主人公にし、ヴァルトブルク城で行われた歌合戦の伝説を取り入れた物語になっています。
ワーグナーのオペラは長く、難しいものも多い中で、この作品は彼の作品の中で最もわかりやすいものとされています。
では、どのような作品なのか、まずはあらすじをご紹介いたします。
13世紀初頭のドイツ。
騎士タンホイザーは、禁断の地ヴェーヌスベルクで、愛の女神ヴェーヌスと楽しいひとときを過ごします。しかし、そんな生活に飽きたタンホイザーは、ヴェーヌスの誘惑を振り切って元の世界へ戻ります。
帰ってきたタンホイザーは、また旅立とうとしますが、旧友ヴォルフラムが「君の恋人エリーザベトが帰りを待っている」と言うのを聞いて、彼は思いとどまります。
本当はヴォルフラムもエリーザベトのことを愛していたのですが、タンホイザーを彼女のところに案内して、再会を喜ぶ二人を見守っていました。
舞台はヴァルトブルク城の大広間で行われる「歌合戦」に移り変わります。
領主ヘルマンは歌合戦の課題を「愛の本質」とし、勝者には領主の姪であるエリーザベトから賞が与えられると宣言します。
まずヴォルフラムが、「精神的な愛」こそ愛の本質だと歌いましたが、タンホイザーはこれに反論し、愛の本質は「快楽」にあると歌い、官能の女神ヴェーヌスを賛美してしまい、彼がヴェーヌスベルクにいたことをバレてしまいます。
これを聞いた人々は、彼を国から追放せよと罵倒しましたが、エリーザベトのとりなしによって、領主ヘルマンはタンホイザーに、罪を償い許しを請うためにローマ教皇のもとへ行くよう命じました。
時が経ち、エリーザベトはローマから帰る巡礼者の中にタンホイザーを見つけることができませんでした。
彼女が去ったあと、ヴォルフラムのもとにタンホイザーが帰ってきて、ローマで許しを得ることができなかったと嘆きます。自暴自棄になったタンホイザーは、再びヴェーヌスベルクに行こうとしますが、そこにエリーザベトの棺が運び込まれ、彼女の死に絶望したタンホイザーはそこで息絶えるのです。
しかし、エリーザベトの死によって、彼の魂は救済されるのでした。
「愛」というものに翻弄される、私たちも身近に考えることのできるオペラになっています。
今日はこの作品の中から、第二幕で歌合戦の会場となったヴァルトブルクの広間に集まった貴族や騎士たちが領主を讃える合唱を聞いていただきます。
『タンホイザー』は、2月に東京でも上演されるようなので、もしご興味がありましたら、劇場に足をお運びください!
それではまた次回♪