第15回 トゥーランドット
みなさん、こんにちは♪
今日は、プッチーニが作曲したオペラ『トゥーランドット』について取り上げたいと思います。
プッチーニといえば、以前取り上げた『蝶々夫人』の作曲家でもありますが、彼はメロディーメーカーであると同時に、今でも名前が残っているオペラを数多く作曲しました。
しかし、この作品に関していえば最後まで彼が書き上げたものではありませんでした。
台本の作成過程で、プッチーニは台本作家と意見がぶつかり、完成させるまでに4年もの歳月を費やしたため、この間に彼の病は進行し、作曲途中で亡くなってしまいました。未完部分に関しては親しかったフランコ・アルファーノが補作しました。
では、『トゥーランドット』のあらすじを見ていきましょう。
舞台は、北京。
役人が登場し、絶世の美女であり冷酷なトゥーランドット姫と結婚するための条件を述べます。それは、「王子であり、姫が出した三つの謎を解くことだ」と。
そして「ペルシャの王子は、謎が解けなかった為に首をはねられる」と告げます。
そこに集まった群衆の中には敗戦の末に逃亡中である、ダッタンの王ティムールと息子カラフ、そして彼を愛する召使いのリューが紛れていました。
処刑台にペルシャの王子がやってくるとそれに続いて、トゥーランドット姫も現れます。
彼女の姿を見たカラフは一目惚れし、ティムールやリューが止めるのも聞かず謎解きに挑戦することを決意します。
カラフは、難題を全てクリアしますが、トゥーランドットは父である皇帝に「私は誰のものにもなりません!」と告げます。
するとカラフは「夜が明けるまでに私の名を当てたら、私の命はあなたに捧げましょう。」と申し出ます。
姫の取り巻きたちは必死に、カラフの正体を探ろうとします。
やがて、彼と一緒にいたところを見られていたティムールとリューが連れてこられます。
リューは拷問にかけられますが、トゥーランドットに「あなたはこの方を愛することになるでしょう。」と告げると、近くの兵の短剣を奪って自害します。
トゥーランドットと二人きりになったカラフは、愛を囁き、強引にキスをします。
彼女は次第に心を許し、ついに涙を流します。
カラフは勝利を確信し、「私はカラフ、ティムールの息子です。」と名を名乗ります。
するとトゥーランドットが「あなたの名前がわかった!」と叫び、人々の前に向かいます。
群衆が見守る中、トゥーランドットは「彼の名は...愛です!」と叫び、二人は抱き合い、歓声に包まれ幕となります。
カラフの目線に立ってみると、一目惚れをした相手と幸せになれたハッピーエンドですが、ずっとカラフのことを慕っていたリューの立場からするととても切ない物語ですね。
リューという存在がいたからこそ、カラフは幸せを勝ち取ることができました。
このあらすじにもあるように、群衆として合唱も活躍しています。
こちらの動画は最後のシーンとなっています。
このメロディーを聴いたことがある方は多いのではないでしょうか?
トゥーランドットとカラフを皆が祝福している最後のシーンです。
このオペラには、他にも有名なアリアがたくさんあるので、ぜひ全幕ご覧ください♪
それではまた次回!