オペラ。日本語では「歌劇」と呼称されますが、元々はラテン語で「仕事」の意味。華々しい舞台の上の世界は、劇場における氷山の一角でしかありません。「オペラのウラのウラ」では、VOTメンバー・竹内の経験等も踏まえながら、客席からは見えないたくさんの「仕事」を担う裏方の世界をご紹介していきます。
ネタ探しで過去の投稿を遡ってたら、「そういえば色のこと紹介してないなー」と思ったので、ここらでご紹介します。
正直竹内も詳しいことはわかってないので、調べながら書いてます。
これ覚えられるだけでもすごくすごい。
【素材の味?「W」】
照明の仕込み図を見ると、「W」という表記を見ることがあります。
これは灯体に色を入れず、電球そのままで使うことを「W」で表現します。
通称「生」。
生は全ての基本で、「一番奥が深い」…なんて書いているサイト様もいくつかありました。
小規模な公演の普通の照明はだいたいこの生色の照明です。
【「ゼラ」って何?】
照明仕込みの現場にいると、よく「ゼラ」という言葉をよく聞きます。
ゼラとは「カラーフィルター」のこと。昔はゼラチンで作ってたそうで、その名残で今でも「ゼラ」と呼ばれているそうです。
【「ゼラ」の使い方】
灯体に取り付けることで、照明に色味を付けることが出来ます。
取り付けるには「フィルタホルダ」という器具を用います。
こういうやつです。
これに挟んで、灯体のツメにひっかけて使います。
…何回も使ってるしよく知ってる道具なんだけど、名前は今初めて知りました。
フィルタホルダね。
勝手に「挟むやつ」とか「手裏剣」とか呼んでました。
誰にも伝わらないやつ。
【この番号何色?】
カラーフィルターのメーカーにもよるらしいんですが、日本での主流は東京舞台照明さんの「ポリカラー」という商品だそうで。
そちらの分類でご紹介しますね。
カラーフィルターの色は番号で表すんだそうです。
基本は2桁で、一部の例外を除いて
10の位で「ピンク系」や「赤系」「青系」などのざっくりした色分類、
1の位で濃さ(若い数字が濃くて大きい数字が淡い)
で表現してるそうです。
♯21のように表記します。
https://www.marumo.co.jp/first/chapter_3_6.html
こちらのサイト様に分かりやすい表が載ってました。
これらを組み合わせて使うと、
こうなります。
いや綺麗だなおい。
【その他のゼラ】
なんか「ぼかすやつ」とか「色温度を変えるやつ」とか、いろいろあるみたいです。
ごめんここまでくると違いが分からない。
ぼかすやつは透明っぽいフィルムなのは知ってます。どうなるかは知りません。
たぶんボケます。
【すごい動画紹介します】
と、ここまで数か月間いろいろと書き連ねてきましたが、YouTubeですごい動画を見つけてしまったので、最後にご紹介します。
「日本演出者協会・教育出版部」様のチャンネルで、文化庁の事業のために作られた動画だそうです。
何がすごいって、仕込みをPOV(主観目線)で観ることができるんです!
プロの主観目線動画、しかも普通なら絶対に観られない照明仕込みの動画ですよ!!
まさに「ウラのウラ」じゃないですか!!!
忙しい人は16:26からご覧ください。
いやもうね、マジで素晴らしい動画だよね。300回ちょっとしか視聴されてないのが勿体なさすぎる。
恐らく可動バトンもない極小劇場…というより芝居小屋に近い現場だと思いますが、バトンが降りるか降りないかの違いだけで大劇場もオペラもほぼ一緒です。
というわけで許諾もなく勝手にご紹介してます。ダメならご連絡ください。
ほんとに、こんな動画出されたら「オペラのウラのウラ」なんかマジで必要なくなっちゃうよー!ってくらい価値のある動画です。
ちなみに今回紹介した「ゼラ」も登場します。
【今週の竹内】
先日「キャンディード」が終わりまして、次の演目の準備に取り掛かっています。
4/18音楽劇「地球図鑑~宇宙レスキュー隊物語~」という作品です。
ブラック企業で社畜として働く社畜の主人公が、不思議な出会いから生きがいを発見する作品。
かなり教育的な内容です。ぜひ親子で観てほしい作品。
ありがたいことに6月までの出演スケジュールはかなり埋まってきました。
そんな中ですが、VOTの次回公演・さらにその先の事業計画を進行中です。
次はちょっとレアなアレ、やっちゃいますよ~♪
情報公開が楽しみです!
それではまた次回。