オペラ。日本語では「歌劇」と呼称されますが、元々はラテン語で「仕事」の意味。華々しい舞台の上の世界は、劇場における氷山の一角でしかありません。「オペラのウラのウラ」では、VOTメンバー・竹内の経験等も踏まえながら、客席からは見えないたくさんの「仕事」を担う裏方の世界をご紹介していきます。
ついに来ました上級編!
ここまでくると、割と裏方経験の多い竹内でも知らないものばかり…。
この内容をしっかり頭に叩き込んで、そこらじゅうで使いまくってドヤろう!
そして本職の方に怒られましょう!!
それではどうぞ。
【いってこい】
「場面転換した後、元の場面に戻る」のを「いってこい」って呼ぶらしいです。
オペラだと何ですかね?トゥーランドットの2幕二場(皇帝の御前)→3幕一場(外)→3幕フィナーレ(皇帝の御前)みたいな?
もっと短いスパンなのかな?
照明レベルでも使うらしいので、「アリア前の明かり→アリア中の明かり→アリア後の明かり(=元に戻る)」は「いってこい」なのかな?
わからん。
「いってらっしゃい」ではない。
竹内なら「いってこい」なんて言われたら「お前が行け」って答えちゃうかもです。
違う、そうじゃない。
【消え物】
舞台上で使うものはそのほとんどが使いまわしのきくものですが、中には一回きりの”消耗品”も存在します。
破り捨てる紙、食べ物や飲み物などなど。これらを「消え物」と呼ぶそうです。
竹内の経験上では「バナナ(本物)」、「マッチ(間違えて着火)」、「オレンジジュース」などがありました。
引田〇功さんがイリュージョンイリュージョンで消してるものは消え物…なのかな…?
違う、そうじゃない。
【一杯飾り】
装置の転換をせず、1つの飾りで全幕上演することを「一杯飾り」と言います。
「ジャンニ・スキッキ」や「リタ」などの1幕物のオペラはほとんどがこれですが、中にはフルサイズの作品でもこのスタイルを採用し上演することも。
所謂「読み替え」と呼ばれる演出手法で多用されてる印象がありますね!
低コストでありながら、上手く演出を付けられれば作品に新しい視点を付与できるという利点もあります。
失敗すると「あ、お金ないんだな…」ってなります。
「一杯」違い。
ちなみに画像検索すると「フィギュアをいっぱい飾ってる写真」が出てきます。
違う、そうじゃない。
【飼い殺し】
舞台装置の後ろ、舞台上だけど客席から見えない位置にスタッフさんが待機することをいいます。
見える状態での転換を行う場合、あるいは大きな扉の開閉など装置を大きく動かす場合に、大道具さんなどの専門スタッフが待機します。
今まで携わった公演だと、小澤征爾音楽塾の「カルメン」の4幕で、大きな扉を閉めるためのスタッフが「飼い殺され」ていました。
屈強な男たちが装置の物陰で丸くなって寝てる姿はちょっとかわいい。
これは飼い殺し…ではない。
別に「雇うだけ雇って仕事させないでおく」みたいなアレではないです。
ちなみに当法人は飼い殺しどころか人手不足です。
違う、そうじゃない。
【桁吊り】
照明の記事で触れたかもしれませんが…
「照明・美術バトンにパイプを追加で吊ること」を「桁吊り(けたづり)」って呼ぶらしいです。
あれ、名前あったんか…!
ちなみに「桁吊り」で画像検索すると、「橋桁を巨大なクレーンで吊ってる写真」が大量に出てきます。
違う、そうじゃない。
【なんじゃこりゃああああ】
「全然わからん…」って思ったそこのあなた。ご安心ください。正常です。僕も初めて見る言葉だらけ。
「余裕じゃん」って思った人!
本職の人やろ!
いつもお世話になりまくっております!
難しい言葉を覚えたからって積極的に使うと「おっこいつ現場慣れしとるんか?」と思われてこき使われます。
若手音楽家の皆様、どうぞご注意くださいませ…。
【最近のVivid】
本日、次回公演の宣伝用ビジュアル撮影に挑んでいます。
国内では2017年以来(竹内調べ)となる、すこし珍しい演目を上演します。
情報公開をお楽しみに…!