引き続きヴァージニア州にてWolf Trap Operaに参加しています。
2週間のホテル隔離&オンラインコーチング期間が終わり、ついに先週から対面でのリハーサルに入りました!!
対面と言っても、極めて厳しい制限の中やっています。屋内ではこれでもかというほど距離を取り、マスクをしたままピアノを弾き、敷地中に設置された除菌シートで使ったものを拭きまくり。マスクをしていなくても良いのは屋外での稽古だけなのです。
屋外の稽古場の様子
涼しげで気持ちよさそうに見えますが、これ実はめちゃめちゃ暑いんです。33度とか34度の中、ストラヴィンスキーとか弾いてる訳です。水分補給、命!
で、みんな「ヴァージニア州は本当に湿度がすごいなぁ…💦」とか毎日言っているわけなのですが、まあ確かにNYに比べると大したもんですが、日本から来た身としては「この空気のどこに湿度が?」て感じです。(笑)
屋内での稽古はこんな感じ。
屋内の稽古場の様子
ピアニストと歌手の間にアクリル板が設置されています。ちなみに指揮者は画面右に3mほど行ったところにマスク付けて立ってます😂
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Wolf Trap Operaの参加者は、アメリカで教育を受けてきた20代の歌手が殆どです。今までSkype越しにしか声を聞くことができなかった歌手たちですが、対面稽古により生で聞くことができている今、改めてレベルの高さに驚嘆しています。それぞれの才能はもちろんなのですが、アメリカの教育、すごい。発声・ディクション・ドラマ表現・音楽の構築…それぞれ、各分野の専門家による日常的な指導によって、たっぷり訓練されてきたことが窺えます。
これはおそらく日本の教育との最大の違いではないでしょうか。日本で声楽を学ぶ方は主に声楽教師一人から指導を受けますが、アメリカではそれに加え、音楽面を支えるコーチ(コレペティ)、ディクションコーチ、演技コーチなど、多方面から継続して学ぶことが当たり前なのです。一人の声楽家に対し一人の先生ではなく、一人の声楽家に対し「1チーム」いる、という感じです。
そして、色々な方面からの意見を受け止め続けながら、その人自身の意見というものも形成されていく訳です。ソースが偏らないので、とてもバランスが良い。
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さて、このWolf Trap Opera、期間中は様々な配信をお届けする予定なのですが、昨日その第一弾である"Aria Jukebox"が公開されました。これは事前に視聴者が「聴きたいアリア」を投票して、その投票結果に沿ってアリアの演奏会をするというもの。
こちらのリンクからご覧になれます。
アメリカの若い歌手たちの演奏、是非ご覧になってみてください!ちなみに私は出てません!(笑)アクリル板の後ろで演奏しているピアニストは、WTOの音楽チーフであるグラント・ローニグ氏。もーーーー素晴らしい音楽家&人格者なのです。こんな風に、多様なスタイルの肝をガシッと押さえた、でも柔軟なピアノが弾けるようになりたいなー。彼の一人オーケストラも是非是非お楽しみください。