さてさて、Wolf Trap Operaでのレジデンシーがついに終わり、NYへ戻ってまいりました!
しばし燃え尽きたのち、再び孤独にドイツ語を勉強する日々に戻っています(^^;;
WTO最後の二週間は目まぐるしかったです。
とにかくオンライン公演用の映像の収録三昧&収録、収録の合間はリハ三昧でした。前回ご紹介したオネーギンは終わったので、“Into the Woods“と“Studio Spotlight“という二つのプロジェクトのためでした。いずれも近々公開される予定ですので、是非お楽しみに!
ちなみに、先日ご紹介した《エフゲニー・オネーギン》のオンライン公演は、こちらからご覧になれます。是非お見逃しなく!
こちらは"Into the Woods"収録中の一コマ。《トスカ》の「星は光りぬ」を録ってるところです。
機材がイカニモな感じでカッコイイ。ちなみにオネーギンとは違う映像チームに委託したそうです。この、カメラを乗せてスライドさせて動かすハシゴのやつ(説明やば)、リアルで初めて見た〜!
ちなみに星ピカの収録風景をチラ見せ→撮影中の動画です❤️
感染症対策で、大道具を作ったりすることができないため、照明を存分に活用します。これは《ヘンゼルとグレーテル》です。
こちらは個人的にめちゃ面白かった、ストラヴィンスキー《放蕩者のなりゆき》より、墓場のシーン。長大なチェンバロソロがあるので、画像左下のピアノ(オケ)と電子ピアノ(チェンバロ)を行き来しながら演奏しました。椅子から椅子に飛び移る練習めっちゃした。笑
《放蕩者のなりゆき》、日本では全く関わったことのないオペラでしたが(最近はアリアNo word from Tomを歌うソプラノの方がちらほらいらっしゃいますね!)、Metの研修でも弾いたし、今回のWTOではアリア二つ&場面二つを演奏しまして、アメリカではもはや古典として扱われる作品です。
とにかく英語が難しいのですが(これは英語話者にとっても難しい英語です!)、ストラヴィンスキーのあっけらかんとした新古典主義と、お伽話仕立てでありながらもめちゃめちゃエグい人間ドラマの融合、、他に類を見ない、素晴らしい作品です。日本でもいつか当たり前に上演される日が来ますように!
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あ、ちなみにルネ・フレミングのマスタークラスもありました!感染症対策で、屋外で!(笑)
私は聴講オンリーでしたが、ルネ様の左にバッチリ写っております。(同じ写真に写るの、人生最初で最後かな、、、)
一人25分程度の短いマスタークラスでしたが、その人に必要なことを即座に見抜いて、惜しみなく伝授されていました。さすが百戦錬磨のスター、おっしゃることが超実践的です。。特効薬なんてものはなく、それぞれが自分の課題を練習室に持ち帰って地道な鍛錬を積み重ねることが大事なんだなぁと思いました。そしてそれを世界的なディーヴァの言葉で聞くと、物凄い説得力でした…!!
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さてさて、WTO奮闘記も今回でおしまいということで。
本当に忙しい期間でしたが、Wolf Trap Operaのスゴイところは、参加者への精神的サポートが徹底していること。トップにいるディレクターを始め、スタッフ全員がお互いをよく観察し、お互いの立場になって考え、発言しやすい空気を作り、何かあったらすぐに誰かが話を聞いてくれて、すぐに現実的な策を出してくれる。私自身に「何かあった」わけではないのですが😂、「安心して全力で頑張ろう」と思える雰囲気は尊いものでした。参加できて本当に良かったです。
それではまた!