オペラ。日本語では「歌劇」と呼称されますが、元々はラテン語で「仕事」の意味。華々しい舞台の上の世界は、劇場における氷山の一角でしかありません。「オペラのウラのウラ」では、VOTメンバー・竹内の経験等も踏まえながら、客席からは見えないたくさんの「仕事」を担う裏方の世界をご紹介していく
とでも
思ったのかーい?
今までカターーーイ文面できましたが、ちょっと疲れちゃったので、少し崩して書いてみます。
旧Vividブログほどじゃないですけどね!
今回から数回、「裏方」の紹介から少し離れて、設備面にスポットを当ててみようと思います!
東京都内だけでも数え切れないほどの劇場があり、まさに千差万別。しかしその中にも、ある種の「形式」のようなものがあり、それが各劇場の特色の核を形作っています。まずはこの「形式」についてまとめてみます!
※今回も、各画像に出典元リンクをつけています。ぜひクリックorタップしてみてください。
【劇場の種類】
前述のように、劇場・音楽ホールにはいくつかの「テンプレ」のようなものがあります。大きく分けて「馬蹄劇場」「シューボックス型」「コンサートホール型」「ヴィンヤード型」の4つがあります。もちろん例外もたくさんありますが。
①馬蹄劇場
ヨーロッパの歌劇場はほとんどがこれです。上から見ると馬の蹄の形をしているため、こう呼ばれます。3~5階くらいまでありますが、音が客席空間で反響し、隅々まで届きやすくなっています。桟敷席=2階以上のボックス席のうち、舞台のすぐ横の席はほとんど真横=逆サイドの客席を向いています。
日本だと、新国立劇場オペラパレスや横須賀芸術劇場などがこれにあたります。
②シューボックス型
シューボックス=靴の箱のような、直方体のホールです。オペラよりはコンサートやリサイタルとして利用されることが多いです。一番有名なのはウィーン学友協会のホールでしょうか?毎年ウィーンフィルがニューイヤーコンサートを行っているホールです。
優れた音響効果を持ち、デザインも洗練された美しい造りになっていることが多いのが特徴です。日本ではみなとみらいホールの小ホール、さいたま芸術劇場の音楽ホールなどがあり、いずれも国内外のアーティストが頻繁に演奏するような素晴らしいホールです。
竹内は別団体でよくこのタイプの劇場でのオペラ公演に出演していました。めっちゃ響いて気持ちいい!
③コンサートホール型
日本では最も一般的なスタイルだと思います。広い舞台、広い客席空間に加え、豊富な音響機材やホール設備で、クラシックからポピュラー音楽のコンサート、オペラや演劇の公演、学会や講演会、成人式などの記念行事など、幅広い用途に対応している万能型のホールです。
一方、前述の2種類のホールに比べ、音響は劣る傾向にあります。広すぎる舞台の間口や横長になりやすい客席構造が、音の反響を生みづらくなっているようです。NHKホールなんかが最たる例ですね。
N日本では、自治体などが文化会館のような施設として保有していることが多く、また老朽化も進んでいるようです。一方で、地域おこしの目玉として国内外のアーティストを招聘するなど、自治体が本腰を入れて活用している例もあります。今年2月にVOTが参加した白河での「椿姫」もこういった例のひとつ。まぁあそこはめちゃくちゃ綺麗でしたが!
④ヴィンヤード型
サントリーホールやミューザ川崎シンフォニーホールのように段々畑状の客席構造を持ちます。ヴィンヤードとは「ブドウ畑」のこと。多くの場合”P席”=舞台後方にも客席を備えており、すり鉢状に客席が舞台を取り囲んでいます。
素晴らしい音響を備えており、カラヤンがサントリーホールを「音の宝石箱」と形容したことは有名です。
これもオペラには向いてないので、リサイタルやオーケストラのコンサートによく利用されます。
【ホールを知ること。】
星の数ほどあるホールも、こうして形式分けしてみると、別の楽しみが増えるものです。ホールは建造物でありながら音楽の一部。いいホールはいい楽器になり得ます。竹内が好きなのはミューザ川崎かな、でも舞台から見る客席の風景は横須賀芸術劇場が一番好き。やっぱり馬蹄劇場がいちばん美しいと勝手に思ってます。
みなさんも推しのホールを探してみてはいかがでしょうか?
【次回予告】
ホールの豆知識シリーズその②!ホール構造の名称についての初級編をお届けします!
それでは竹内は仕事で京都へ行ってまいります~