さぁ!やってまいりました!番外編!!
早いことにもう12月!!!
今年はパパゲーノで締めてやろうと思っている鈴木です!
そもそもなぜこんなにパパゲーノが好きなのか‥‥
もちろん、パパゲーノの音楽も、キャラクターも好きなのですが、
なにより、たまらないのは《魔笛》の世界において、パパゲーノが「ズレている」という点なんですよね。
「ズレ」とは?
パパゲーノは他の登場人物たちが「あたりまえ」と思っていることに、反発したり、疑問を抱いたりします。
魔笛は当然ながらファンタジーな世界なのでおかしなところや、突っ込みたくなる展開が存在します。
しかしパパゲーノが疑問を抱くのはそこではありません。「人間として」の素直な疑問です。
パパゲーノは人間(鳥人間ですけど)としての欲求に常に素直です。物語上で絶対揺らぐことはありません。
「美味しいものを飲み食いしたい」
「可愛い女の子と恋がしたい」
「危険なことはしたくない」
ほんとにこれだけです。
《魔笛》には「欲求をいかに我慢できるか」というようなシーンが多く出てきます。
「我慢しなさい」「我慢できると偉いぞ」
そんな時、パパゲーノは「なぜそんなことしなきゃいけないの? 絶対嫌なんですが?」と反発するんですよね。
うーん、うまく言えませんが、現代社会に生きる私たちへの問いかけにも聞こえませんか?
本当に求めていることを隠して、いつしか周りに合わせて我慢している。
パパゲーノは周りに合わせることができず、孤独になり、最後は自殺しようと思ってしまいます。
ファンタジーで明るく描かれていますが《魔笛》の本当に深い部分にはそんな現代社会へのメッセージと皮肉が込められているのではないでしょうか。
また、パパゲーノには身分や人種の概念がありません。
王子のタミーノに出会った時も、タミーノが生まれにこだわるのに対して「よくわからない。同じ人間だよ」と返し、
肌の黒いモノスタトスに出会った時も「黒い鳥がいるくらいなんだから、黒い人間がいてもおかしくない」と呟きます。
めっちゃすごくないですか?
‥‥‥もう多くは語りません。
パパゲーノ深い、《魔笛》深い、あの時代にこんな台詞書けるシカネーダーとモーツァルトすごい。
パパゲーノの視点から見たこの物語は、全く違うものに見えると思います。
次回も魔笛で決まり〜〜〜