第8回 Cavalleria Rusticana
みなさん、こんにちは♪
すっきり秋らしい日々になりましたね。
前回は、秋の夜長にオススメのオペラをご紹介しましたが、今回もまたヴェリズモ・オペラを取り上げたいと思います。
ヴェリズモ・オペラって何?という方は、前回の投稿をご覧ください。
さて、今回ご紹介します『カヴァレリア・ルスティカーナ』は、前回取り上げた『パリアッチ』と縁の深い作品になっており、この二つの作品はそれぞれの演奏時間が長いことからも同時に上演されることが多いです。
では、『カヴァレリア・ルスティカーナ』を作曲したマスカーニとは一体どんな人物だったのかからご説明します♪
ピエトロ・マスカーニは、1863年イタリアのパン屋に生まれるも幼い頃から音楽の才能を発揮し、1888年に今回ご紹介する作品が1幕ものオペラの懸賞に入賞し、大成功をおさめました。
そして、マスカーニはオペラだけでなくいくつかの管弦楽曲や歌曲、ピアノ曲も残しています。
彼の音楽も非常に美しいメロディでしたが、友人でありライバルであったプッチーニとはまた作風が異なっていました。
どちらも映画音楽のようなメロディを連想させますが確かに雰囲気は異なりますね!
プッチーニについては以前『蝶々夫人』で取り上げていますのでそちらもぜひご覧ください。
では長くなりましたが『カヴァレリア・ルスティカーナ』についてあらすじを♪
復活祭の朝のこと。トゥリッドゥは昔ローラという美しい女性の恋人であったが、彼女は彼の兵役中にアルフィオと結婚してしまいました。村に戻ったトゥリッドゥは、ローラを忘れるべく、村娘サントゥッツァと婚約しましたが、結局ローラと人目を忍んで関係を続けています。そのことを知ったサントゥッツァは怒りのあまり、アルフィオに二人の関係を告げ、彼は激怒し復讐を誓います。
教会でのミサが終わり、トゥリッドゥの母が営む酒場でアルフィオはトゥリッドゥの勧めた酒を断り、二人は決闘をすることになります。アルフィオはいったんその場を去り、トゥリッドゥは酒に酔ったふりをしながら母に「もし自分が死んだらをサントゥッツァ頼む」と歌い、彼が酒場を出て行きしばらくすると「トゥリッドゥさんが殺された」という女の悲鳴が2度響き、村人の驚きの声と共に、幕を閉じる。
この話も『パリアッチ』同様、ごく普通の庶民が繰り広げる愛憎劇がテーマとなっており、身近な題材が人々の心掴んだのではないでしょうか。
このオペラも村が舞台となっているため、村人として合唱が活躍するシーンが多くあります。その中でも、今日は、冒頭で村人たちが歌う、「Gli aranci olezzano sul verdi margini オレンジの花が香り立つ緑の丘のふもとに」という曲を紹介します。
とても美しいメロディでまさかこれから残酷なことが飽きるとはこの曲だけでは予想することはできないほどでしょう。
それではどのような事を言っているのか見ていきましょう。
Gli aranci olezzano sui verdi margini,
cantan le allodole tra i mirti in fior;
オレンジが香り立つ緑の丘のふもとに
花盛りのミルテの木陰でひばりは歌う
tempo è si mormori da ognuno il tenero
canto che i palpiti raddoppia al cor.
In mezzo al campo tra le spiche d'oro
giunge il rumor delle vostre spole,
畑の中の黄金色の小麦の穂の間から
そっと聞こえてくるのはお前の糸巻きの音
noi stanchi riposando dal lavoro
voi pensiamo, O belle occhi di sole.
俺たちが疲れて仕事を一休みする時には
お前のことを考える、おお美しい太陽の瞳よ
a voi corriamo come vola l'augello al suo richiamo.
お前のもとに駆けて行くぞ鳥が飛んで行くようにその呼び声に答えて
『カヴァレリア・ルスティカーナ』はこの他にもたくさんの美しい音楽が詰まった作品です。
これもそんなに長いものではないので、ぜひ一度全て聞いて見ていただきたい作品です。
それでは今日はこの辺で!
また次回お会いしましょう♪
Arrivederci!