こんにちは〜。Vivid Opera Tokyoコレペティトゥーアの青木ゆりです。
コレペティトゥーアって、長いですので、普通「コレペティ」とか「コレペ」とか呼びます。私が今いるアメリカなんてもう簡単なもんで、コレペティなんて小難しい言葉は使わず、シンプルに「コーチ」です。いいですね、簡単で。まあここは「コレペティ」でいきましょうかね。
で、コレペティって何やねんちゅう話です。めっちゃ簡単に言えば、「オペラ公演作ってる時に、ピアノで色々手伝う人」ってな感じです。
稽古で毎回オーケストラ使えませんから、代わりにピアノ弾いたり。
譜読み苦手で、このままじゃ稽古でちゃんとお役目果たせへん、ちゅう歌手のために、ピアノ弾きながら譜読みの手助けしたり。
稽古で弾くのがお役御免になって、オーケストラが稽古に入ったら、客席から見てあげてダメ出し書いてあげたり。
オーケストラの中に鍵盤楽器がいたら、本番でそれ弾いたりもね。
あとは、曲とその公演のやり方をよく分かってるってことで、字幕や照明のキュー出し(タイミングの指示)を出す仕事なんかもありますね。ここまで来るともうピアノ関係ないので、ま、何でも屋って感じです。
勉強しなきゃいけないことはたくさんあって、まず良い演奏ができる音楽家でありながら、語学(イタリア語ドイツ語フランス語ロシア語など)および各言語のディクション、オーケストレーション、音楽の色んな様式…などなど、めちゃめちゃ知識が必要です。すこーしずつ知識をためていけば、50代くらいで「ハカセ」みたいな感じになれるのかなーと思って地道にやってます。
まぁそんな仕事をしてる私ですが、今はNYのメトロポリタン歌劇場ちゅう世界で一番くらいにでっかい歌劇場で、研修生やってます。10〜15人くらいの研修生が、それぞれ2年ずつくらい研修するシステムです。研修生は世界中からやってきて、大体歌手が10何人かいて、ピアニスト/コーチ(コレペティ)が3人てところですね。運良く、日本人第一号として入らせてもらいました。
研修と言っても、NYっていうめちゃくちゃ物価の高い街で生活できるくらいの給料(奨学金)をMetからもらっています。「訓練することが仕事」という大変ありがたいポストですね。頑張らないとバチが当たるっちゅうことで、どうにか精一杯やってます。
今は新型コロナウイルスのパンデミックで、劇場は閉鎖になってます。3月の半ばのある日、お昼頃に突然、「明日から閉めます、今日中に必要なものまとめて持って帰ってください」という通達が来ました。その夜はチェネレントラの初日で、観るのめっちゃ楽しみにしてたのに。本当に突然でしたね。
研修も同時にストップしてしまった訳ですが、ありがたいことにその後いろんなオンラインレッスンが始まりまして、変わらず有意義な勉強を続けさせてもらいました。このブログでもいずれオンラインレッスンの様子なんかをお伝えしていきたいと思います。
そうそう、このブログでは、「コレペティの話」と「ニューヨークの話」をお届けしていきたいと思ってます。コレペティが持ってるめっちゃオタクな技能の話から、外国暮らしで片栗粉なくてどうやって唐揚げ作るか、みたいな話まで、ゆるゆるご紹介していきたいと思います。ご興味ありましたらお付き合いどうぞ。