「脇役ではないので【脇役シリーズ】では紹介できないけど、是非是非知ってほしい魅力的な悪役紹介シリーズ!!!」
前回から始まった新シリーズですね。
え? なに? 脇役やら悪役やら、主人公嫌いなの?
いやいや、そんなことないっす。そういうことではないです。
ただ物事を斜めに見てしまう癖があるだけなのです。
さて、今回は、悪役といえばこの人は外せない!
プッチーニ作曲《トスカ》スカルピア
もうね、ほんと圧倒的ヴィラン。
前回のランスなんて可愛いもんですわ。この人の何がすごいって頭の先からつま先まで迷いなく「悪」なんですよね。
ほんともう気持ちいいくらいに真っ直ぐ「悪」。
《トスカ》って、こんな悲しいことってある?! って思っちゃうほどのトラウマ級悲劇ですが、曲がどれも美しいので許されてる感があるなぁ、と思う今日この頃。
まぁ、この話もよくある三角関係なんですが、警視総監のスカルピアが圧倒的権力を持っていて、愛するトスカを我が物にする為に情とか全部捨てて迫ります。(トスカの恋人マリオは反逆者として捕らえられ拷問にかけられています)
「恋人を自由にしたければ、俺に抱かれろ」
わぁ〜、悪い〜〜。
絶望するトスカを見てさらに愛が燃え上がるところなんてサイコパスですよ。
そして追い詰められたトスカが歌う「Vissi d'arte, vissi d'amore」ですよ。泣けます。
トスカが観念したと思い、マリオの「見せかけの処刑」を命じます。
さて、これでトスカは私のもの‥‥となったところで、トスカはスカルピアを刺し殺すのでした。
悪者も消え、マリオの「見せかけの処刑」さえ終われば自由になれる! と信じているトスカでしたが、
スカルピアははなっからマリオを生かすつもりはなかったんですよね。
トスカの目の前でマリオは銃殺されるのでした。そしてそれを見たトスカも‥‥
おそろしい‥‥
メガトン級の悲劇ですね。
とにかくスカルピアの非情さがバチバチに光っているオペラなのです。
ここまで振り切れていると、もうもはやかっこよさの方が勝ります。超魅力的なキャラクターですよ。
《トスカ》未履修の方には是非とも体験してほしいですね。
オススメです!!!