あんまり注目されない、でも面白い、本気出せば主役だってくっちゃうぜ!な名脇役たちを救済する夢のシリーズ☆
『名脇役シリーズ』第3弾はプッチーニ作曲《ジャンニ・スキッキ》!!
《ジャンニ・スキッキ》といえば、Vivid Opera Tokyoも6月に公演する予定でした‥‥ううっ、中止と決まった時は悲しかったですが、VOTは負けません!めげずに前を向いて頑張ります!
初演:1918年12月14日 メトロポリタン歌劇場
原作:ダンテ「神曲」
台本:ジョヴァッキーノ・ファルツァーノ
プッチーニってどんな人?
→とにかく名作オペラをたくさん作曲した人!《ラ・ボエーム》《トスカ》《蝶々夫人》なんてどこかで聞いたことありませんか?日本でも上演回数が多く、馴染みのある作品が多いです。余談ですが、ロッシーニさんと名前が似てるなって私はずっと思ってました。
さてさて、では今回取り上げる《ジャンニ・スキッキ》とは?
→なんと上演時間は1時間!しかし1時間とは思えないような美味しさがギュッと詰まったオペラです!
イタリア、フィレンツェの大富豪ブオーゾの遺産を巡って親戚たちが争う、まさに「人間の醜さ」ドロドロのドラマ。白熱のバトルオペラです!今回は家系図を作りました!ご覧ください!
だいたいこんな感じです‥‥!(違ってたらごめんね)
問題はこの「大富豪ブオーゾ」さんの遺産なのですが、なかなか皆さん遠めの親戚ですね(笑)
でもね、登場人物はこれだけではありません。
重要なタイトルロールさんがいませんね!
ブオーゾの遺体を前に、「遺産が欲しい!遺書を探せ!」。しかし見つかった遺書には「遺産は全て修道院に寄付する」と書かれていた。困った親戚たちは切れ者のジャンニ・スキッキに、遺産が等しく分配されるように知恵を求める。
そんな中、リヌッチョとジャンニの娘ラウレッタは結婚を願っているが、身分やら持参金やらの問題でどうにもうまくいかない。
さてさて、頼れるのはジャンニ・スキッキだけ。ジャンニはどんな決断を下すのか?
面白いですねぇ〜
それにしても、1時間のオペラにしてはキャラクターが多い!めまぐるしい展開に息をつく暇もありません!
そんな濃厚展開で今回注目したいのは、
親戚たち
私も演じたことがあるので分かるのですが、とにかく出ずっぱりで難しい!体力も集中力も必要な縁の下の力持ちです。
やっぱり目立ってしまうのは、「ジャンニ・スキッキ」「リヌッチョ」「ラウレッタ」。
しかしほんの少し親戚たちに目を向けてください。夫婦、親子、あんまり面識のない人、年寄り、若者。様々な人間関係が密室で蠢き合います。演者たちもお互いの人間関係を意識しつつ「金が欲しい」という目的のために、欺き合い、時には共謀するのです。
なかなかこういうタイプのオペラは珍しいかもしれません。もしかすると共感できる部分もあるかも?
年齢と続柄は指示があるのですが、それ以外は楽譜やテキストから読み取るしかありません。なので、色々な解釈、演出があります。例えばこんなグループ分けもできますよね。
癖のある親戚たち、まだまだ可能性は広がっています。「この人には頭が上がらない」「あの人が何を言っても腹がたつ」などなど。是非彼ら一人一人の活躍にも注目してみてください。
短いオペラ《ジャンニ・スキッキ》何度も聴いて何度も見てください!毎回新しい発見ができますよ!まさに、噛めば噛むほど味が出るスルメオペラ!
次回予告
→華やかな舞台の裏で‥‥