さてさて、『斜め!?スポットライト』を書かせていただいております、鈴木麻由です。
このブログは、オペラの意外なところにスポットを当てて紹介しております。脇役を中心に展開していますが、なんと今回はオペラに登場する「料理」にスポットを当ててみたいと思います!たまにこんな感じで『番外編』を挟んで息抜きしていきましょう(笑)
オペラにさらっと登場して物語に色をつける「料理」。正直あんまり注目はしませんよね。しかし演じる側にとっては重要です。何を作ってるのか、どんなものを食べるのか、しっかりとしたイメージがないと演技にも説得力がありませんよね。
ちょうどそんな「これはどんな料理?」という経験談をお話しします。
少し前に別団体で、プッチーニの《西部の娘》を上演する企画に参加しておりました。コロナの影響で中止になってしまったのですが、なんと私はキャストとしてだけでなく、演出助手も努めさせていただいておりました。演出助手を任せていただいたのは初めてだったので、やはり中止は悔しかったです。演出助手については竹内さんの『オペラのウラのウラ』をご覧ください🎵
キャストではウォークルという、ネイティブ・アメリカンの女性を演じていました。
時はゴールドラッシュのカリフォルニア。酒場の女主人ミニーと、盗賊団の頭ジョンソンの熱く激しい愛の物語です。めちゃくちゃ胸熱なので、オススメオペラです。個人的には敵役として登場するランスがタイプです❤️
私の演じた役、ウォークルは、ミニーの家の手伝いをしています。この時代のネイティブ・アメリカンは身分が低くて……この辺りは脇役シリーズで熱く語りますね(笑)
とにかく、家の手伝いをしている中で、とある料理が登場したのです。
Biscotto alla crema
クリームビスケット?何それ。
こういうこと?クリームがたっぷり練り込んであるビスケットのこと?
しかしウォークルの夫ビリーがこっそりつまみ食いをする描写が、
ウォークル「クリームも…ビスケットも…ご主人様のものよ。触らないで」
(ビリーは床に落ちたクリームがついている紙を見つけて、拾う)
あれ、クリームとビスケットは別?
じゃあこれがこうなるのかな?
これはもうオレオですね。
この可能性もあるな。
なんて一人で想像して、結局演出家の先生にイメージをお伺いしたところ、
これでした!
ケンタのアレですね。ケンタのビスケットです。私も大好物のやつです。
なんでかな?と思って少し調べてみました。
どうやら国によってこのあたりのお菓子の呼び名が違うようで、
日本では、は「クッキー」「ビスケット」と呼ばれますよね。
でもアメリカではは「クッキー」で、「ビスケット」といえば、というイメージのようです。日本では「スコーン」なんて呼ばれたりするかもです。
へぇ〜!
でもクリームは?まぁ、食べ方は自由ですよね。実際色々舞台の映像も見てみましたが様々でした。
こんな感じでも、
こんな感じでも美味しそう❤️
そんなことを考えていた稽古の帰り、お決まりのようにケンタに立ち寄った私でした(笑)
オペラは物にもよりますが、古いものも多いので、テキストから得られる情報は多くありません。そんな時は色々調べて、考えて、自分の中の最良の形を見つけるのです。私はこんな時間が大好きです。
番外編お楽しみいただけましたか?
次回はシリーズに戻り、脇役を救出します〜!