2020年もあと2週間ほどですねぇ。
間違いなく忘れられない年になりましたね。
さて今回もパパゲーノについて語っていきます!
番外編(1)はパパゲーノの存在について、(2)はモーツァルトとシカネーダーについて、(3)は私がなぜパパゲーノを好きなのかについてでしたね。
記念すべき(4)では、パパゲーノを取り巻く女性について触れたいと思います!
これがまた実に奇妙なんですよね〜
パパゲーノは「彼女ほしぃ」と言いながら、実は周りは女性ばっかりなんです。取引先の夜の女王や侍女3人も女性。(恋愛対象にはならないかもしれませんが‥‥)
それでも長い年月誰かを本気で好きになったり彼女ができなかったりするのは、ただ一人まだ見ぬ「運命の人」がいるからなんでしょうね。
結果的にはまさにパパゲーノの理想! かわいい鳥の女の子パパゲーナと出会って幸せになるわけですが、私が怪しいなぁ〜、と思うのはこの物語のヒロイン「パミーナ」なんですよね。
まず二人の出会いが衝撃的で、パミーナ初登場で大ピンチの時にまず助けるのがパパゲーノです。タミーノは何してたかって? 宮殿にすら入れておりませんでした‥‥(おいコラー)
そこで二人は楽しくおしゃべりして、二重唱します。
パミーナ 愛を感じる男の方なら、優しい心をお持ちです。
パパゲーノ 甘い愛のときめきを共に分かち合えること、これこそ女の務めです。
二人 男の人も女の人も、愛の喜びを知りましょう。男の人も女の人も、愛によって生きましょう。
パミーナ 愛はどんな苦しみも、優しく和らげてくれるのです。生を受けたものは皆、愛に身を捧げます。
パパゲーノ 愛があるから毎日が、生気にあふれているのです。愛は自然の隅々まで、血を通わしているのです。
二人 気高い愛の目指すところは、誰の目にも明らかです。男であり女であるのは、何にも増して貴いこと。
男と女、女と男は手をたずさえ、高貴な神の世界へと歩むのです。 (第1幕第14場)
あんたら今逃げなきゃいけないんじゃないの?というシーンなのに恋話で盛り上がって歌っちゃいます。
場違いですが、本当に美しい二重唱です。
実はパミーナと主人公のタミーノにはちゃんとした二重唱がありません。しかしパパゲーノとの二重唱は存在する‥‥
単にシカネーダーが歌いたかったという可能性もありますが、不思議ですねぇ。
パミーナも何よりも愛する人が大事、パパゲーノも何より欲しいのは愛する人なんです。二人は実はとてつもなく似ているのです。二人がさらに似ていると思うのは、繊細な心です。
なんとパミーナもパパゲーノも愛する人も失う悲しみで自殺未遂をするんですよね。作中で二人も自殺しようとするとかどんなオペラだ、と思いますが‥‥。とにかく二人はめちゃくちゃ似ています。彼女の名前が「パ」から始まるのもなんか違和感ですしね。
パパゲーノにとってパミーナも「運命の人」の一人だったのではないかと考える私です。
そんな深読みもたくさん出来ちゃう《魔笛》❤️
見れば見るほど発見がありますよ。