オペラ。日本語では「歌劇」と呼称されますが、元々はラテン語で「仕事」の意味。華々しい舞台の上の世界は、劇場における氷山の一角でしかありません。「オペラのウラのウラ」では、VOTメンバー・竹内の経験等も踏まえながら、客席からは見えないたくさんの「仕事」を担う裏方の世界をご紹介していきます。
今回は、既にちらほら出てきている「業界用語」をご紹介していきます。「ナグリ取って!」「次サブロクいくよ!」「5mのミニCを5本出して」…
プロの歌手でも知らない言葉がたくさん!?明日から使える無駄豆知識!皆さんはどこまで知ってるでしょうか??
【初級裏方業界用語①ナグリ】
主に大道具さんか舞台監督部が使う言葉です。読んで字のごとく「殴るための道具」ですが、彼らが殴るものと言ったら…?
新入りのバイト君?いやいや、今の時代人を殴っちゃいけません。
そう、釘(クギ)です。「ナグリ」は釘を殴るもの、つまり金槌のこと。
厳密には玄能とか釘抜き付きの金づちとか、いろいろ種類があります。が、名前を呼ぶときはだいたい叩く時なので何でもいいです。
「ナグリ取って!」って言われたら釘を叩ける物を渡してあげてください。
【初級裏方業界用語②リャンメン】
これは麻雀をやる方ならわかると思います。
「両面」の中国語読みですね!
これはつまり「両面テープ」のこと。
どこでも手に入る物から、業務用の超強力なやつまでいろいろあります。
【初級裏方業界用語③タッパ】
舞台以外でもスポーツとかで意外と使うのかな?
「あの人はタッパがあるから」
「タッパぎりぎりだから天井気を付けて」
とか言います。そう、「高さ」や「身長」のことですね!
【初級裏方業界用語④介錯棒】
「かいしゃくぼう」と読みます。
読んで字のごとく、「介錯=手伝う/手を貸す」ための棒なんですが、これには2種類あります。
一つ目は照明さんの「介錯棒」。
サスペンションライト等、高所にある照明の微調整をするのに、いちいちバーの上げ下げをしていたら、どれだけ時間があっても足りません。
そこで、地上から長い棒を使って灯体を突っつき、角度を変えられる道具が必要になります。
これを「介錯棒」「竿」、あるいは伸び縮みすることから「如意棒」と呼びます。
介錯棒で3~4m上空の灯体を器用に微調整するのは至難の業。プロの技が光ります。
もう一つは舞台監督部の「介錯棒」。
吊り物や中割幕を動かす、あるいは大道具を動かす際、それらが微妙に干渉してしまうことがあります。
そのまま動かしてしまうと、破損や事故の危険があるので、避けなければならない。その時に活躍するのが「介錯棒」です。
手が届かないところでも、少し棒で寄せてやればうまくいく…そういう状況で用います。
ぶっちゃけ届けば何でもいいです。棒じゃなくて角材とかでも。
それでも干渉を解消できない場合は、舞台監督権限で変更を行います。
まぁ後者はオペラの現場ではあんまり見たことないんですけどね…
【初級裏方業界用語⑤張出舞台】
「プロセニアムアーチ」を超えて客席側に張り出している舞台を「張出舞台(はりだしぶたい)」と言います。
オペラの場合、舞台前のエリアは客席面より下げてオーケストラピットとして使うため、通常は張出舞台としては使用しません。
しかし、コロナ禍にある現在は、「ピット内が密になる」ということからオーケストラをピットではなく舞台上に配置し、オーケストラピットを張出舞台として舞台面まで上げて上演することも多いようです。
こちらは先日の東京二期会「サムソンとデリラ」の写真。指揮者のパスカルさんのアカウント(@secherletemps)から引用させていただいています。
上手側、プロセニアムアーチより前に舞台面があるのが分かります。
【どこからが舞台用語か分からなくなった】
どんな言葉をご紹介するかいろいろ悩んだんですが、考えすぎてどれがオペラ特有/裏方特有の専門用語なのか分からなくなってしまいました。
逆にどんな言葉に疑問を持つんでしょうかね…?
もし「この言葉の意味が分からない」などありましたら、竹内個人のTwitterアカウント@Tenor_Takeuchi か、VOTアカウント@OperaVivid までメッセージをください!
もちろん、他のメンバーに宛てたメッセージやご要望もあったらVOTアカウントまでどうぞ!
【まとめるほどでもない最近のこと】
いまから30分後にオペラ「桃太郎The Peach Boy」のビジュアル撮影です。
本番より緊張してます。
オペラ界ってビジュアル撮影あんまりやらないよね。
やったらいいのに。もちろんお金は多少かかりますが。
今まで撮ったビジュアルは各種SNSにて公開中!
ハッシュタグ #オペラ桃太郎で検索してみてください!
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